お役所勤めの桃太郎
今更ながら、
がツボに入ったので、急いで書き上げてみた。
ーーーー以下、本編ーーーー
2015年4月、岡山県に後期高齢者に該当する世帯が国民年金を受給しながら生計をたてていました。専業主婦が地域ボランティアに参加していると、左岸上流から、果実協同組合が地元特産品として掲げるドンブラコという、既存の品種より収量が大きい桃が下ってきました。「おやこれは、まちおこしの成功例になるわ」と、拾得物を最寄の警察署へ届出せず、自宅へと持ち帰りました。そして、伝統工芸品に認定される吉備包丁で切ってみると、中から市の魅力を広くPRできそうなゆるキャラが飛び出す顛末となりました。
「本件は、経済産業省がクールジャパン政策の一環でクリエイティブ産業に支援事業を実施したことによる成果である蓋然性が高い」
桃太郎のゆかりの地に適した名前が一般公募され、多数の応募が寄せられた中、ももっしーと決定しました。追ってメディアへ周知するため、市役所で特別住民票の写し交付しました。
同年5月、市公認のイメージキャラクターとなったももっしーが質問しました。
「一部委託を行っている鬼ヶ島公民館に関してですが、地方自治法第244条の2第11項の指定管理者契約の不履行の規定により行政処分を行えると云う理解で宜しいでしょうか。」
「お見込みのとおりです。」
ももっしーは地元商店街で第28回全国菓子大博覧会で農林水産大臣賞を受賞した元祖きび団子を購入すると、可及的速やかに所要の措置を講じました。抜き打ち検査へ向かう最中、保健所で雑種のイヌに出会いました。
「品質表示基準に適合したきび団子であれば報告は必要ありません。」
次に、市営動物園にてニホンザルに出会いました。
そして、県立自然公園で国鳥に出会いました。
「B施設がA市内にある場合は、おともとしてカウントできます。」
こうして、人的資源を獲得したももっしーは、公共交通機関などを利用し、鬼ヶ島生涯学習センターへやってきました。
施設窓口では一般事務に従事する派遣労働者が、管理業務の実施に際し不正な行為を行っていました。
「管理受託者の方々は、遺漏なく業務を遂行されたい。」
「極めて遺憾に思う。」
監査委員は、KPIにかみつき、様式の不備をひっかき、管理職をつつきました。とうとう事業責任者が、
「次年度から入札を辞退致します」
と、口頭ならびに文書で謝罪しました。しかるのち、指定取消の手続のため、市役所へ残務処理を行いに戻りました。首長は、ももっしーの経済波及効果に大喜びです。そして当該普通公共団体は、観光収入のおかげで不交付団体となり豊かにくらしましたとさ。